子どもの学費のために借金

友人夫婦はとても子どもを大事にしていて、自分たちは贅沢をしなくても子どものためにならお金をジャンジャン遣うという夫婦です。そんなわけで、子どもには習い事をたくさんさせていました。つまり、教育費が一般家庭よりもだいぶかかっていたように思えるのです。そして、その子どもが大学受験をする年齢になりました。この夫婦のことなのできちんと学費を貯めてきたのだろうと思っていたのですが、実はこれまでの教育費もかなりの借金をしていたそうです。よって、大学へ行く費用もさらに借金をすることになりました。
ここまでの事情を私が知ったのは、その子どもが大学を辞めた時です。何で辞めてしまったのだろうと理由を聞いてみたところ、両親の借金がかさんで学費を支払えなくなったとその子どもから知ることになったのです。まさか、そんな状態になっているとは思ってもみませんでした。
それからというもの、しばらくは借金返済のために奔走していたようで、なかなか友人夫婦とは連絡を取ることができず、その子どもが22歳になった時にようやく連絡を取り合えるようになりました。借金はまだ返済が終わっていないものの何とか目処がついたということでした。子どもはアルバイトをしているそうです。せっかく小さい頃からたくさんの習い事をしてきたというのに、それらを活かすことができなかったのはもったいないものです。子どものために一生懸命になっていても、お金の遣い方を間違えてしまうとこんなふうになってしまうのかと教訓になりました。
今はそれぞれが働き、それなりに充実した日々を送っているようなので安心しています。

借金返済は妻から娘に

友人の借金総額は200万円、利息は年10%、借金返済のために友人が使える小遣いは3万円だけ。
1回、酒を飲みに行けば1万円は掛かる、週に1回行くとしたら、小遣い3万円では1万円足りない、そのため、友人は月に1回、誘いを断る。
どうせ、誘いを断るだろうと思ったのだが、友人は飲み屋に付いて来た。
私、「お金はあるの?」
友人、「ああ」
私、「どうしたの、お金」
友人、「妻が他界したんだ」
私、「・・・」
友人の奥さんが他界したのは知らなかった。
友人が総額200万円の借金をしていたのは奥さんから、その奥さんは夫(友人)に200万円の債権(資産)を有していることになるのだが、他界したことで夫である友人がその債権(資産)を相続した。
債権者と債務者が同じになると借金はチャラになるらしく、友人は200万円の借金を返さずに済んだ。
奥さんが他界しているため、借金が無くなって良かったねとは言えない。
どんな思いで酒に付き合ったかは分からないが、私は慰めるつもりで友人と酒を飲んだ。
飲み屋を出て別れる時、私は友人に「大丈夫か?困ったことがあったら連絡をして」
友人、「ああ、そうするよ」
私に心配をかけまいとした友人の背中は、いつもより小さく感じた。
家に帰ると、先ほど別れた友人から連絡があった。
私、「どうかした?」
友人、「暫くは酒に付き合えない」
私、「何かあったのか?」
友人、「妻が俺に有していた債権の200万円を相続したのは、俺だけではなかったんだ、娘も相続をしていたんだ」
私、「娘さんが相続していると何かマズイの?」
友人、「妻の財産を相続したのは俺と娘、つまり、娘は俺に対する債権の半分を相続しており、俺は娘に100万円の借金があることになるんだ」
私、「娘さん、まだ学生だろ」
友人、「学生でも母親に似てお金にガメついんだ、父親の俺から利息まで取ろうとするんだ」
奥さんが他界して暫くは元気なかった友人だが、現在は娘さんに借金を返済するために頑張って働いている。