借金、闇金、そして地獄のような生活

“ 私は都内に住む会社員男性33歳のノリです。今では会社員として社会の一員として自立できていますが、つい数年前までは借金まみれの生活を余儀なくされていました。
私は高校卒業後に大学に進学せず、フリーターとしての生活をするようになっていました。もともとコミュニケーションが得意でなかった私はアルバイトの最低限の時間以外は自宅にこもり、人と話すことを避けていました。そして、そんな私の楽しみというのがギャンブルでした。私は友達と呼べる人は1人もおらず、家の中ではパソコンと向きあい、パチンコ屋に通っていました。パチンコに負けても負けてもお金をつぎ込んでいくので貯金は一瞬でなくなり、消費者金融から借金をするようになりました。
しかし、消費者金融でお金を借りられなくなった私はついに闇金に手を出してしまいました。審査は運転免許証だけで保証人も一切必要無く、非常に簡単なものでした。申請を依頼してから審査はものの15分程度で終わり、その場で5万円を渡されました。利息は10日で5割と言われ、10日後に7万5千円を返すことになりました。「高すぎる」と思わずその場で言ってしまいましたが、「ほかで借りられない人に保証人なしで貸してるんだ。それぐらいあたりまえだろ?」と大柄な男3人に囲まれて言われた私はすっかりビビってしまいました。しかし私のギャンブル中毒は止められず、借りたお金をすぐに使ってしまいまた闇金に行ってどんどんお金を借りるようになっていきました。
電話1本で審査の時に同時に伝えていた銀行口座にお金をすぐに振り込んでもらえたので、闇金といえども簡単にお金が手に入ったその場では「助かった。これで今まで負けた分をとり返せる」と思ったのですが、すぐにまた負けてお金が無くなるという同じことを繰り返していました。もちろん返済の日になるとスタッフが私の元へやってきては殴る蹴るなど如何なる手段を使ってでもお金を回収されるような状況でした。「パチンコできないようにしてやる」と言われ右手の指を5本全部折られたこともあります。命の危険さえ感じたこともあります。
そして私は「まだ死にたくない」と思った私は田舎に住む両親に全てを打ち明けました。両親は私を責めたものの、「やり直しなさい」と言い土地を売ってまでしてくれました。そのお金で病み金業者から借りていたお金を全て返すことができました。「良かった」と安心しました。
しかしその約3週間後に再び闇金から電話がかかってきました。「ノリさんの為に融資できるお金を用意しておきました。5万円を本日そちたの銀行に振り込んでおきます」と一言言われそのまま切られました。依頼してないのにそんなことはないだろうと思っていましたが銀行には実際5万円入っていたのをみて私はゾっとしました。身に覚えがないので無視していたら10日後に「返済はまだですか?」と連絡が来ました。「これが闇金のやり方か。返済が終わってもそれでもまだ追いかけてくるのか」と思いとても怖かったです。命の危険まで感じて、親に苦労を掛けてまでしてやっと返済した借金だったのでさすがに「パチンコ=恐怖」と思うようになり、それからはパチンコに行くこともなくなりました。闇金に理不尽に請求された利息含んだ7万5千円を返済し、口座を閉じ、携帯電話も解約しました。
そしてアルバイトの勤め先から「社員にならないか」といわれ、今では社会人として新しい自分となって生きています。今のご時世、お金に困ることは確かにあります。でもそんな人たちに声を大にして言いたいのは「闇金だけは絶対に手を出してはいけません」ということです。「骨の髄までしゃぶられる」とはこのことだと身をもって実感しました。闇金=死に繋がることだと地獄のような経験をして感じました。”