私を含め高校生の時に奨学金という名前の響きで手軽に給付型ではない奨学金を借りてしまった人がたくさんいます。当時は社会経験がまだ無い高校生でした。給付型ではない奨学金を借りるということは、お金を稼ぐことがどれだけ大変かを理解していない未成年の人間が多額の借金の契約をしてしまうということなのです。その機関の名前は耳障りの良い名前で借金、というイメージから遠いものであったりするため警戒心を抱くことなく契約してしまったのが私たちです。紹介する以上教育機関として学校側、機関などはそれをしっかりとイメージさせ理解させる努力をしなければならないと思います。そして奨学金を借りる場合には審査があり保護者が必ず関わります。保護者と借りる本人の意識の違いが大きな問題を引き起こすこともあります。子に学費を一気に払ってあげられないが入学させたいと熱望する親が、いざ卒業したら自分で払いなさい、学費は自分で払うものでしょう、と手の平を返すことをしたり、酷い場合は親が振り込まれた奨学金を使ってしまうケースもありました。それは子を利用した借金でした。学生を支援するもののがはずが学生の人生を壊す材料になるのです。大人が自分の意志でどこかで借金をしてくる借金よりも、本来ならば信頼できる相手が元凶となる借金になるため下手をするとたちが悪いです。そして奨学金の返済の額は実際に生活してみると決して小さいものではありませんでした。私の場合はもし結婚していなかったら、主人に手伝ってもらわなかったら返済できなかったと思います。人生でまたお金がかかるようになる子供が生まれるような年齢、親の介護や高齢化などの病気で出費が発生するようなタイミングまでそれは残るのです。奨学金を借りなければならないわけですからそもそも家族そのものにお金がないことが少なくありません。高校生で人生の沼に足を踏み入れる前に正しく借金とはどういうものなのかを計算させる必要があります。